2024年1月17日、日本国愛知県 ー
オートメーションとロボティクスのオペレーティングシステムのパイオニアであるREADY Roboticsは、トヨタ自動車とNVIDIAと協働し、産業用ロボットの飛躍的前進を実現します。トヨタはREADY RoboticsのForgeOSをNVIDIA Omniverse上で開発されたロボットシミュレーターであるNVIDIA Isaac Simと連携して採用し、同社のアルミニウム熱間鍛造生産ライン用に最先端のシミュレーションロボットプログラミング環境を構築します。
READY RoboticsはForgeOSにNVIDIA Isaac Simを組み込み、ベストインクラスのビジュアルと高忠実度の物理シミュレーションを提供します。
この画期的な協働は、トヨタの製造工程における安全性と効率性を向上させます。鍛造生産ライン用のロボットプログラミングでは通常、プログラミング中に金属部品を高温のまま維持する必要があり、安全性が大きな課題となります。ロボットのシミュレーション、開発、テストのためにNVIDIA Omniverseプラットフォームで開発された拡張性アプリケーションであるNVIDIA Isaac SimをForgeOSに組み込むことにより、プログラミングがシミュレーション環境でシームレスに達成され、高温部品に伴うリスクが排除されます。
ロボットおよびオートメーション用の産業用OSであるForgeOSを開発したREADY Roboticsは、製造会社が直面する難題を克服する時間節約オートメーションソリューションのパイオニアです。ForgeOSは、プログラミングのプロセスを簡便化し、典型的なロボットシステムの複雑さを軽減し、あらゆる産業用ロボットマニピュレーターの使い易さを実現します。
READY Roboticsは、ForgeOSにNVIDIA Isaac Simを組み込み、ベストインクラスのビジュアルと高忠実度の物理シミュレーションを提供することで、ロボットシミュレーションに前代未聞のリアリズムをもたらしました。ForgeOSの直感的なプログラミングとNVIDIAのリアリスティックなシミュレーション環境により、トヨタは複雑なロボット熱間鍛造ルーチンを、複雑な熱感鍛造工程のニュアンスを把握したシミュレーションにおいて迅速にプログラミングし、最適化することができます。
プログラムは、シミュレーション環境において検証された後、現場のワークセル(生産単位)にシームレスに転送され、現場の配置でのプログラミングの必要性を排除し、それによって高温部品をとりまく安全性をめぐる懸念を軽減します。ForgeOSはシミュレーションと物理的ワークセルの両方を制御することから、プログラムの秒単位での転送、更新が可能となり、ダウンタイムを最短に抑え、ワークセルの維持を容易にします。
この「sim-to-real」ワークフローのまた別の新しい一面は、工場のフロアのセルからリアルタイムの生産データをオリジナルのNVIDIA Isaac Simシミュレーションにリレーする、ForgeOSの能力です。この能力はライブセルのデジタルツインを作成し、それによって現況の視覚化を可能にし、モニタリングと監督の向上を促進します。
難題の多いプログラミング作業においては、NVIDIA Isaac SimをForgeOSに組み込むことにより、リアリスティックなプログラムの迅速な完成が促進されます。特に安全性が懸念される場合はなおさらです。「NVIDIAは当社のプログラムが現実世界の状況を反映するために必要なツールを提供し、ForgeOSはこのシミュレーションがライブセルと行き来するコネクションを提供します」とREADY Roboticsの最高イノベーション責任者Kel Guerin博士は語る。「私どもは日本のITサービス大手であるSCSKとパートナーのNVIDIA Omniverseと協働し、このソリューションをトヨタにお届けできることを嬉しく思います。」
トヨタ自動車の素材材料技術部グループマネージャーである鈴木一広氏は、「ForgeOSのユニークなアーキテクチャは、NVIDIA Isaac Simのシミュレーション機能と当社の物理的システムの制御を橋渡しすることから、この生産ラインに必要なsim-to-realワークフローを可能にします。すなわち、シミュレーションでプログラムを作成し、そのプログラムを転送した後、use ForgeOSを使用して実際の生産データを取り込み、プロセスを反復的に改善することができるのです」と述べています。
トヨタのREADY RoboticsならびにNVIDIAとの協働は、ロボティックプロセスオートメーションがいかにプログラミングされ効率性、可用性、安全性の向上を伴い導入されるかについて新たなフロンティアを創造しようとしています。また、オートメーションシステムから取り込まれる生産データをプロセスのモニタリングと改善において、さらにはAIアプリケーションにおいても、利用する機会を切り開こうとしているのです。
鈴木氏は「私たちは機械学習とAIが製造プロセスの進歩を可能にする未来を見据えています。しかし、すべては現在のプロセスを改善すること、それと同時に有用なデータを工場からシミュレーションへと抽出することから始まります」と語ります。
「産業プロセスを現実世界に展開する前に高忠実度でシミュレーションすることで、コストを削減しつつ生産性と安全性をを大幅に向上させることができます」と語るのは、NVIDIAのEmbedded and Edge Computing担当バイスプレジデントDeepu Talla氏です。
「トヨタとREADY Roboticsの間の協働は、NVIDIA Isaac Simなどの、製造業における産業デジタル化の可能性を解き放つ技術の先駆的活用の素晴らしい一例です。」